胃カメラ
人間ドックに行った。
何が恐ろしいか?胃カメラである。
胃の中を見たいな、そうだ、食道からほっそい管を入れてちっさいカメラで撮影すればよくね?と考えた奴は幼少期に頭を強めに打ったのか?
しかもいうて管そんなに細くないし。タバコくらいあった。
前処置の麻酔が既にしんどい。
注射みたいなやつで鼻にドロドロした液体を入れられて、それを喉まで下ろして呑み込まなければならない。
それ単体でも全然不快なのに、その後の不快さに比べれば米粒。
嘔吐反射が強いなら、と喉に麻酔スプレーをされる。食べちゃいけない苦みが広がり口の中が痺れる。そしてそれを呑み込まないといけないらしい、まじで??
鼻と口と胃が複合的な不快感に襲われ、言語化できない苦痛に恐怖すら覚える。
赤ちゃんってこういう訳の分からなさでずっと泣いてるのかもな…と謎に理解が深まった。
これ以降唾液は飲み込まないでくださいと言われる。日頃無意識にやっていることを他人から禁止されるの怖すぎ。
胃カメラ中はもう、先生がマッドサイエンティストにしか思えなかった。
穏やかな口調で「ここが胃の入り口、とても綺麗ですね」とか言われましても。
鼻から管が入ったことなんてないので、初めての感覚に身体が「吐き出さないかんやつ!!」と全力でアラートを出している。
それを理性で押さえ付けている状態。
集中が途切れたら即座に負けそうだった。
途中「せっかく金と手間かけてるんだから見らな損!!!」と勇気を振り絞ってモニターを見ると、胃の中でスプラトゥーンが行われていた。
液体で胃壁の泡を取って見やすくしているのだろうが、体内でスプラトゥーンされているという状況がちょっと面白かった。
もう終わりか…?と思った時に「今半分くらい終わりましたからね〜」と言われ絶望する。
絶望からついにえづいてしまい、後の記憶がない。
気持ち悪すぎてスライムみたいな唾液が出た。
結果は異常なし。
あと10年は受けたくない。