500文字くらいの日記

話も文章も長くなるので短くまとめる訓練をしたい

夫の急病の話

前回書いたのはいつだったか。

この世の中、外に出ることもないので何も起こらず、書くことないな…と思っていたが、いや書くことが無いことなんてないはずよ、いう気持ちもあり、そうしているうちに書くような出来事があった。


ある日起きたら、夫が布団の上に座ったままかすれた声で「お腹が痛い」と言ってきた。


すわ大事件である。

わたしの夫は痛み耐性がとてつもなく、でかい怪我をしても全然痛がらないし、庇う動きもしない。

そんな夫が身動きも取れない程に痛がっているのだ。

それはもう腹を壊したとかいうレベルではないはずで、救急車を呼ぶかと聞くもそれは嫌だという。

いるんだよなあ、こういう正常バイアスのかかった頑固じじい、夫がそういうタイプなのを忘れていた。


近所の救急病院に電話すると今から来ていいですよとのことで、歩いて5分のところまで2人でいく。タクシーは拒否。頑固じじいめ。

その時はわたしが気をつけてゆっくり歩いても前に出てしまうくらいに夫の歩みは遅く、もうお腹の中で何かしらの腫瘍でも爆発しているのではと気が気でなかった。

MRIでも撮って、ここに影がありますので今から手術します、あと1時間遅かったら危なかったです、と言われたらどうする、こんなことなら医療保険に入っておくべきだった、と喋りながら病院へ向かう。

なんとなく、心配しているのだという気持ちを表明した方が夫が安心するのではないかと思った。

自分の体調の悪さを他人に軽く見積もられた時、人は恐怖心と苛立ちを覚えるからな。


病院の中までは付いていけないので、建物の中に入って受付をしたのを見届けて帰宅する。

帰りながら、しかしなんであんなに不安げなことを言ってしまったのかと後悔した。

もしこれでガンとかだったりしたら、夫は私を不安にさせまいと黙っているのではないか。

もっと泰然自若と構えていなければ、と思った。


結局原因は分からず、胃の薬と痛み止めだけ貰って帰ってきた。

話を聞くと、焼けるような胃の痛みだったらしいので、たぶん胃痙攣だったんじゃないか。

あれめちゃめちゃ痛いよね、戻したりしてほんとにしんどくて、わたしは中学の時に泣いちゃったもんね。