新しいコートと抜歯
土曜日に新しいコートを買ってもらった。
とにかく今持っているコートが重く、作りが私の体に合っていないようで鎧を着ているように肩がこる。
それが唯一のカジュアルなコートで、あとはフォーマルなミドルコート、ダウンしか持っていなかった。
今冬ダウンしか着ていない状態である。
様々なところでコートを持ち上げたり眺めたりした下調べの結果、
希望としては日本製のショートコート、毛が長くなくて、一番大事なのは軽さ。
そこそこに防寒性がないと着たくないし、何着も買うのは嫌だからフォーマルもカジュアルもどちらも兼ね備えたものがいい。混合は毛が多少入っている方が軽そうでいい。
結果としては日本製ではなくバングラデシュ製の毛70%、化繊30%のショートコートを買った。ブランドのネームバリューも私の年齢からすればちょうどいいくらいのやつ。
何より着た時にとても軽い。
ファンタジーでエルフから授けられるタイプの装備だ。
昨日はまた親知らずを抜いた。
前回同様メリメリッ…バキッ…ミシッ…という音が骨を伝わり頭の中で響く。
「痛くないですか」と聞かれ「アイ」と答えるとそれから倍くらいの力で歯茎を押されてつらかった。
歯医者で「痛かったら言ってくださいね」と言われるが、抜歯のように途中でやめるわけにはいかない処置をしているところだったら訴えは無意味なわけで、わたしはただただじっと無抵抗に口を開いていた。