圧力鍋と散歩
今日は目覚めると機嫌がよく、立ち上がって寒稽古のマネをするほど余裕があった。
長いこと出せていなかった郵便物を出したあと、散歩をした。
日差しがあたたかく、空には雲一つなく、「そうか秋だもんな、さすがいい日和だな」と思ってはっとした。
真冬だった。
さっきもはっとすることがあった。
今週の初め、圧力鍋を使って初めてカレーを作った。
普通の鍋で作るよりも格段に美味しいカレーが出来て、おかわりまでした。
今日、圧力鍋への熱が冷めないうちにまた次の料理に挑戦せねばと調べていると、とあるレシピで「ただしたまねぎは煮崩れてなくなります」というコメントが目に入った。
その時初めてこの前作ったカレーから玉ねぎが煮崩れてなくなっていたことに気付いた。
玉ねぎが消失しているのにも気付かず、「圧力鍋で作ったカレーはうまい」と叫んでいた自分が恥ずかしくなった。
いい天気の中広場を散歩すると、どこかの高校の吹奏楽部がマーチングのフォーメーションの練習をしていた。
楽器は持たず空中で手を構えたまま、4分の1倍速で先生が叩くリズムに合わせてゆっくりゆっくりと人が交差したり整列したりする。
これがハイスピードで交錯するようになるかと思うと、本番のマーチングを見たら必ず涙を流す人間になってしまいそうでしっかり見られなかった。