記憶の蓋が開く
眠かったり忙しかったりして、いっとき頭のメモリがいっぱいになると、思いもよらない記憶の引き出しが開く。
楽しかったこと、嫌だったこと、どうでもいいこと、疑問に思っていること。
この前は高校時代の嫌なクラスメイトのことを3時間延々繰り返し思い出してしまって気分が悪かった。
自我が芽生えたのが最近なので高校時代のことはあまり覚えていない。
しかし覚えている限りの記憶を突き合わせると、かなりヒリつく学生時代だった。
ぼんやり生きていたので察しが悪く、周りをイライラさせることもあっただろうし、おそらくそれが原因で「こいつに世間の厳しさを教えてやろう」という迷惑な人間に粘着されることが多かった。
そういう人から面と向かって言われる皮肉や嫌味にすら、ぼんやりしていて気付かないものだから、相手が余計にヒートアップしていて泥沼化していた。
しかしそれすらもぼんやり過ごしていて全然気にしていなかった。
そういうのをふと思い出してしまうと、自分が一体どうやって生きてきたのか分からなくなって、足下がぐらつくような感覚を覚える。
後になって嫌味を言われていたことに気づくと、当たり前に人間不信になる。
あの人達はいまどこでどうやって生きているのかなと思う。